LaserPecker LX2 発表――xTool S1 の新たな挑戦者?
携帯型レーザー彫刻機で知られる LaserPecker ブランドの深セン Hingin Tech Co., Ltd. は、新製品 LaserPecker LX2 を発表した。完全エンクロージャーのデスクトップ向けレーザー切断・彫刻機だ。同社がこれまで得意としてきたコンパクトなハンドヘルド機から、Prosumer やスモールビジネス市場へと軸足を広げる動きと言える。

同社は LX2 を、事業をスケールさせたいクリエイターや起業家向けのシステムとして位置づけている。同社によれば、エントリー機では物足りず、かといって産業機は複雑すぎるというユーザーに向けた解決策を目指すという。製品のマーケティングでは "'profit-proof'" という用語を掲げ、生産効率を高め、材料ロスを減らすための機能を指している。
LX2 はモジュール式設計で、工具なしでレーザーユニットを交換できる。20W/40W の blue diode レーザーに対応し、60W 版も予定。さらに、金属や樹脂の刻印向けに 2W の infrared (IR) レーザーも用意される。最大彫刻速度は 1000mm/s とされ、600mm/s クラスのシステムに比べて 50%超の効率向上をうたう。
操作を助ける自動機能も複数搭載。"3D Auto-Focus Probing" システムは実体プローブで対象物の表面を測定し、レーザーが焦点をリアルタイムに動的補正できるようにする。曲面や不規則面への彫刻を想定した機能だ。プロジェクトのセットアップには、12MP カメラによるビジュアルアライメントを用いる。
ユニットは完成品として出荷され、完全にエンクロージャー化されている。この設計により、レーザー製品として最上位の Class 1 安全認証を取得。教育機関や家庭、小規模事業での使用要件となることが多く、xTool や Glowforge と同じ市場セグメントに位置づけられる。
LX2 の投入は、同社がこれまでの携帯型レーザー彫刻機中心のラインナップを拡張する動きを示すものだ。モジュール式レーザー、高速動作、各種自動化を一つのクローズドなプラットフォームにまとめ、プロフェッショナル向けデスクトップレーザー市場での競争に踏み込んでいる。

